私達は五感を通して外界とつながっています!
五感「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚」は全て脳でコントロールされています。私達が外界にある何かを認識する時には、必ずこの5つの感覚器官から情報を取り込み、脳で感じ判断し、好き嫌いや安心感、警戒心などの感情や体の働きに大きな影響を与えています。
嗅覚だけは別の道筋をたどっています!
五感のうち、視覚や聴覚などは、大脳新皮質を経て大脳辺縁系へ到達しますが、嗅覚は嗅神経からダイレクトに大脳辺縁系へ入ります。
大脳辺縁系は情緒や欲動、記憶をコントロールしているため、においを嗅いだ瞬間、嗅いだ事のある匂いなのか記憶をたどり、「いい匂い」か「嫌な臭い」かを判断し、すぐさま感情に結びつけるのです。嗅覚が人間の五感の中で最も原始的で本能的な感覚と言われているのはこのためです。
においを感じる仕組みとは?
においの正体は「におい分子」という揮発性の化学物質で、その数は約40万種類と言われています。
空気中を漂っているにおい分子が鼻腔内に入ると、鼻腔天井部にある嗅粘膜の粘液に溶け込みます。すると、嗅細胞がその情報を電気信号に変換し、それが嗅神経を通って大脳に伝わり、においとして感知され、感情に結びつけられるのです。
においにはいい面と悪い面が!
■いい匂いは…
心身をリラックスさせる、集中力を高める、傷の痛みを軽減させるなど脳に働きかけます。アロマテラピーで様々な症状の治療や緩和などに利用することもあります。
■嫌な臭いは…
気分が悪くなる、イライラする、集中力がなくなる、ストレスが溜まるなど脳に負担をかけます。
誰にでもあるにおい!
人間の体からも様々なにおい物質が分泌されます。体から発生するにおいは個性の一つで指紋のようなものであり、遺伝子が支配するため、人種によっても異なります。
体の臭いは皮脂腺や汗腺から出る油脂成分が主な原因で、汗と皮脂が混ざり合ったところに雑菌が繁殖するなどして臭いが発生します。また、不規則な生活やストレスなどで自律神経のバランスが乱れ皮脂の分泌が活発になり過ぎたり、栄養バランスの悪い食事により腸内環境が乱れると、臭いの元となります。
体の中からにおいのエチケット!
人の印象は匂いで決まるとも言われます。特に女性は、本能的に好きな匂いと嫌いな臭いをかぎ分けています。自分と親しい人の「におい」は心地よい香りとなり、見知らぬ人の「におい」は不快な臭いとして記憶されます。一般的に「フェロモン」と呼ばれるものも異性を意識させる匂いを発し、人間の汗にも含まれていると言われています。私達は知らず知らずのうちに、においで人を判断し、そして判断されているのかもしれません。
においは香水や制汗剤などで消えるものではありません。だからこそ、体の中からにおいのエチケットをしましょう!