2種類の犬の毛!
犬の毛には「一次毛」と呼ばれる太くて長い毛と「二次毛」と呼ばれる短くて柔らかい毛があります。一次毛は「上毛(オーバーコート)」と呼ばれ、主に紫外線、汚れ、細菌などから皮膚を保護する役割を担い、二次毛は「下毛(アンダーコート)」と呼ばれ、保湿の役割を担っています。犬の皮膚は人間と比べて薄く、その代わりに豊かな被毛で覆われているのです。
犬にもある毛周期!
人間と同様、犬の毛も一定のサイクルで発毛と脱毛を繰り返しています。
このサイクルを「毛周期」と言い、
成長期 → 退行期 → 休止期 の3期からなります。
休止期が続くと、やがて古い毛の奥に新しい毛が生え始め、古い毛を押し出して脱毛が起こります。人間は、通常1つの毛穴からは一本の毛しか生えていませんが、犬では一次毛と二次毛が同じ毛穴から生え、一つの毛穴から平均7~15本もの毛が生えています。
犬の場合、毛周期には犬種差や個体差があり、マルチーズやヨーキーなどの長毛種は毛周期が長く、毛が伸びる成長期が長く続く為、抜け毛が比較的少なめですが、ビーグルやラブラドール・レトリーバーなどの短毛種は毛周期が短く、短期間で毛が抜け変わる為、抜け毛が多くなります。
さらに「換毛期」が!
こうした日々の抜け変わりの他に、犬の毛は春と秋の年2回「換毛期」があり、大量に抜け変わります。これには、日照時間と気温が大きく関係しています。春になり日が長く暖かくなってくると、密生していた冬毛がどんどん抜けて、粗めの夏毛が生えてきます。
そして秋になり日が短く気温が下がってくると、今度は夏毛が抜けて、その下からふわふわの冬毛がびっしりと生えてきます。この冬毛が、冬の間、犬の体を寒さから守ってくれるのです。
被毛のトラブルの原因は!
◆病気によるもの
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、甲状腺機能低下症などの内分泌異常によって、本来の毛周期とは異なるサイクルで一度に多くの毛が抜け落ちてしまうことがあります。この場合、左右対称に毛が抜けるのが特徴です。
また、毛包と呼ばれる毛の根元の異常で、皮膚や毛に受けたダメージから、部分的な脱毛や異常に多い脱毛が起こります。原因の多くは細菌やカビ、ダニなどによる感染症ですが、自己免疫疾患、腫瘍、外傷などによっても起こります。
◆ライフスタイルによるもの
栄養バランスの乱れ、生活環境の変化などによる身体的及び精神的ストレス、老化なども、毛周期に変調を起こす原因になります。
毛並みツヤツヤを保つには!
犬のからだも人間同様、たんぱく質を中心とする栄養から出来ています。つまり、毛や毛包、毛周期をコントロールしている神経やホルモンの働きに不可欠なのは、バランスの良い栄養です。
必須栄養素群(必須アミノ酸、必須ビタミン、必須ミネラル)をバランスよく含んだフードを、必要量与えることで、健康維持はもちろん綺麗な毛並みや毛艶を保ち、病気の予防&改善やエイジングケアをすることが出来ます。
飼い主の管理が必要です!
ペットは自分で食事や生活環境を選べません。ですから、健康維持、病気の予防&改善は飼い主の管理の問題です。
現代のペットブームにより、ペットの生活環境は変化しています。そこで、バランスの良い栄養を与えること、ライフスタイルを整えることなど、まずは正しい管理を行うことが必要なのです。